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最高裁判所第二小法廷 昭和42年(オ)1088号 判決 1968年3月08日

上告人

崔泰宇

右訴訟代理人

羽生長七郎

江幡清

被上告人

横川冨士作

被上告人

中村登

右両名訴訟代理人

海谷利宏

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人羽生長七郎、同江幡清の上告理由第一点について。

記録によれば、所論の主張は原審においてなされていないことが明らかであるから、所論は採用することができない。

同追加上告理由一について。

記録によれば、原審は、被上告人中村が原判示の経緯により本件土地所有権を取得したと認定し、上告人の被上告人中村に対する本訴請求を棄却していることが明らかであつて、挙示の証拠によれば原審の右認定および判断は、これを是認することができる。所論は、原判決を正解せず、独自の見解に基づき原判決を非難するものであつて、採用することができない。なお、弁済期に関する所論は、原判決の結論に影響のない主張であるから、この点に関する所論も採用のかぎりではない。

同上告理由第二点および追加上告理由二について。

訴の主観的併合は不適法であつて許されないとする原審の判断は正当であり、原判決に所論の違法は存しない。所論は、独自の見解に基づき原判決を非難するに帰し、採用することができない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、九八条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。(奥野健一 草鹿之介 城戸芳彦 色川幸太郎)

【参照・原審判決理由】

二、つぎに、控訴人の被控訴人横川富士作に対する請求の当否について判断する。

控訴人の同被控訴人に対する請求は、被控訴人中村に対する請求が理由のないことを前提としてなすものであつて、いわゆる主観的予備的請求の併合にあたるものであるが、そのような予備的請求の被告とされた者にとつてはその請求の当否についての裁判がなされるか否かは他人間の訴訟の結果いかんによることとなるわけであつて、応訴上著しく不安定、不利益な地位に置かれることになり、原告の保護に偏するものであるから、かゝる訴訟形式は許されないものと解するのが相当であり、しかも併合された予備的請求はこれを分離するとそれ自体としては条件付訴として不適法なものになるといわねばならないのである。

したがつて、右請求は不適法として却下すべきである。

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